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    |  授業展開案  〜授業づくりの基本構想に基づく実践の提案〜 (「読むこと」「書くこと」の関連指導) | 
  
    | 1 | 単元名 | 
  
    |  | 「人物の特徴をとらえて論じよう」〜根拠を明らかにして書く〜 | 
  
  
    | 2 | 教材名(出典) | 
  
    |  | 「扇の的−『平家物語』から」(光村図書「国語2」) | 
  
    | 3 | 生徒の実態と指導のねらい | 
  
    |  | 佐賀県の中学2年生の実態として、平成23年度佐賀県小・中学校学習状況調査の結果から「書くこと」に課題の多いことが分かっています。特に「取り上げた事実や事柄、課題について自分の考えを明確にして書く」ことを問う設問では無解答率が他の設問を大きく上回っており、自分の考えの形成やそれを明確に記述することについては特に留意して指導に当たらなければならないと考えます。本単元では、「書くこと」の学習に重点を置き、古典に描かれた登場人物の人柄や性格について論じる文章「人物論」を書かせることを言語活動として設定します。この言語活動を通して、読み取った情報を整理し、根拠を明らかにして自分の考えをまとめる力や記述する力を身に付けさせます。
 生徒は、直前の単元で、「平家物語」の冒頭部分と、本単元と同じ教材「扇の的−『平家物語』から」を用いて伝統的な言語文化に関する事項ア(ア)についての学習に取り組んでいます。冒頭部分の暗唱を通して「平家物語」の独特なリズムや世界観を味わい、扇の的の部分では音読を通して場面の状況や物語の展開などを読み取っており、「平家物語」の作品の概要や、扇の的の場面の大体の内容を理解しています。また、根拠を明確にして書くことについては、第1学年「書くこと」の指導事項ウに明示されており、これを受けて、第2学年では、根拠と理由付けと主張を明確に認識して、論理的な文章を書くことを指導したいと考えます。
 指導に当たっては、まず、生徒がよく知る漫画の登場人物の「人物論」を書くモデル学習を通して、本単元における学習課題と学習方法、学習計画等を確認させ、見通しをもたせます。そして、扇の的の場面の登場人物の言動など、人柄や性格が分かる表現に着目させ、読み取った情報を整理・分析し、一人の登場人物についての「人物論」を書かせます。書いた「人物論」は、人物ごとにグループで交流させて登場人物の人柄や性格について考えを深めさせるとともに、根拠を明らかにして書くことについての知識・技能を確かなものにさせることを目指します。
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    | 4 | 学習内容の系統性 | 
  
  
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    | 5 | 言語活動について | 
  
    |  | 本単元では、「読むこと」と「書くこと」の力を身に付けさせるために、「平家物語」の一場面を読み、登場人物の人柄や性格について、根拠を明らかにして「人物論」を書くという言語活動を取り入れました。登場人物の言動からその人物像を読み取り、根拠と理由付けを明らかにして書くことを学ばせます。 | 
  
    | 6 | 単元の目標 | 
  
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        | (1) | 作品に表れたものの見方や考え方に触れ、登場人物の思いを想像して「人物論」を書こうとする。 |  
        | (2) | 登場人物の人柄や性格について、相手に効果的に伝わるように、根拠を明らかにして書くことができる。 |  
        | (3) | 登場人物の言動の意味を考え、登場人物の人柄や性格について自分の考えをもつことができる。 |  
        | (4) | 作品に表れたものの見方や考え方に触れ、登場人物の思いなどを想像することができる。 |  | 
  
    | 7 | 単元の評価規準 | 
  
  
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        | 国語への 関心・意欲・態度
 | 書く能力 | 読む能力 | 言語についての知識・理解・技能
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              | 1 | 作品に表れたものの見方や考え方に触れ、登場人物の思いを想像して「人物論」を書こうとしている。 |  | 
            
              | 1 | 登場人物の人柄や性格について、相手に効果的に伝わるように、根拠を明らかにして書いている。(ウ) |  | 
            
              | 1 | 登場人物の言動の意味を考え、登場人物の人柄や性格について自分の考えをもっている。(エ) |  | 
            
              | 1 | 作品に表れたものの見方や考え方に触れ、登場人物の思いなどを想像している。((1)ア(イ)) |  |  | 
  
    | 8 | 単元の計画(全4時間) | 
  
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        | 次 | 時 | 主な学習活動 | 指導上の留意点 |           指導計画・ワークシート |  
        | 一 | 1 | 
          
            | 1 | 漫画の登場人物について「人物論」を書き、モデル学習をする。 |  
            | 2 | 学習課題を確認する。 |  
            | 3 | 「平家物語」で「人物論」を書くための学習計画を確認する。 |  | 
          
            | ○ | 根拠が同じでも理由付けが違えば、人物像が異なることを確認させる。 |  
            | ○ | 必要な情報を整理・分析し、根拠を明らかにして自分の考えをまとめる力を身に付けることを確認する。 |  
            | ○ | 「人物論」を書くために必要な活動を確認し、学習計画表を提示して本単元の学習について見通しをもたせる。 |  | 指導計画1/4 ワークシート@
 学習計画表
 
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        | 二 | 2 | 
          
            | 4 | 「人物論」を書く人物を登場人物の中から一人選ぶ。 |  
            | 5 | 扇の的の場面を読んで、自分が選んだ登場人物の特徴が分かる部分を探す。 |  
            | 6 | 「人物論」を書くために読み取った内容から,選んだ人物の人柄や性格について考える。 |  | 
          
            | ○ | 登場人物を確認する。 |  
            | ○ | 人柄や性格が分かる言動などに着目させる。 |  
            | ○ | 原文だけでなく、現代語訳やあらすじが書かれた部分も参考にさせる。 |  
            | ○ | 読み取った内容をワークシートAにまとめ、選んだ人物の人柄や性格を考えさせる。 |  | 指導計画2/4 学習計画表
 ワークシートA
 補助資料
 
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        | 3 | 
          
            | 7 | 選んだ人物の人柄や性格について、根拠を明らかにして「人物論」を書く。 |  | 
          
            | ○ | モデル学習を参考にさせる。 |  
            | ○ | 根拠、理由付け、主張を確認させて書くように指示する。 |  
            | ○ | これまで使用したワークシートを利用させる。 |  | 指導計画3/4 学習計画表
 ワークシート@
 ワークシートA
 ワークシートB
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        | 三 | 4 | 
          
            | 8 | 書き上げた「人物論」を読み合い、感想を交流する。 |  
            | 9 | 単元の学習を振り返る。 |  | 
          
            | ○ | 他の人の作品を読ませることで、登場人物の言動の意味や思いについて考えを広げさせる。 |  
            | ○ | 身に付けた力を考えさせる。 |  | 指導計画4/4 学習計画表
 ワークシートB
 自己評価表
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