| 新学習指導要領における「算数的活動」とは? | 
          
          
          
           
            | 1 | 算数科の目標 「学習指導要領解説(平成20年8月)」より | 
          
            |  | 算数的活動を通して、数量や図形についての基礎的・基本的な知識及び技能を身に付け、日常の事象について見通しをもち筋道を立てて考え、表現する能力を育てるとともに、算数的活動の楽しさや数理的な処理のよさに気付き、進んで生活や学習に活用しようとする態度を育てる。 | 
          
            |  | 上の「算数科の目標」を見てみると、「算数的活動」は ○目標のはじめに示されたことで、算数科の目標全体にかかっている。
 ○学習指導の進め方の基本的な考え方が示されている。
 と いえます。
 
 
  
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          | 算数科の目標を実現するために、算数的活動をすべての授業時間に行うように言われています。それ以外は、これまでの学習指導要領に示されていたものと、大きく変わっているものはないみたいです。 
 詳しくは、解説には次のように示されています。
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            | 2 | 算数的活動とは? | 
          
          
          
          
            
            
            
            |  | 児童が目的意識をもって主体的に取り組む算数にかかわりのある様々な活動と示されています。 
 
                
                  | 今回の改訂では、「主体的に」という文言が加えられています。 |  ここで言う、「主体的に・・・」とは、
 ○新たな性質や考え方を見いだそうとする意識をもって活動すること
 ○具体的な課題を解決しようとする意識をもって活動すること
 という児童の姿を示すもので、
 
 
              
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                    | 「ただ何か、児童に活動をさせればいい。」と言うわけではありません。
                      児童が意欲的に学習へ取り組める内容や教材を用意することが必要になってくると
                      いえます。 
 たとえば、
 ・身の回りから教材を見付ける
 ・どうして、なぜ、と感じる問題を用意する
 
 など、 いろいろな算数的活動を取り入れた学習を準備することが大事です。
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                    | そして、 数量や図形の意味や概念を実感させながら理解させたり、思考力、判断力、表現力等を高めるような学習を繰り返すことも大事になってきます。
 
 また、
 児童が算数を学習することの楽しさや算数を学習する意義を感じられるようにするために、活動内容や手立てを工夫することが必要になります。
 
 でも、
 やっぱり一番大事なのは、児童一人一人が目的意識をもって主体的に取り組む学習を組み立てていくことです。
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            | 3 | 算数的活動を通した学習をしていくと? | 
          
          
          
          
            |  | ○ 算数の授業が児童の活動を中心とした主体的なものになる ○ 算数の授業が児童にとって楽しいものになる
 ○ 算数の授業が児童にとって分かりやすいものになる
 ○ 算数の授業が児童にとって感動のあるものになる
 ○ 算数の授業が創造的,発展的なものになる
 ○ 算数が日常生活や自然現象と結びついたものになる
 ○ 算数と他教科、総合的な学習の時間等とを関連させる活動が構想しやすいものになる
 
 と示されています。
 
 
                  
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                          | これは、今までの学習指導要領でも言われていたことです。 このほかにも、今までと同じところがたくさんあります。
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            | 4 | 今までの学習指導要領で示されていた算数的活動と同じところは? | 
          
            |  | 算数的活動の形態などに着目してを見てみると、次のようになります。 ○ 手や身体などを使ってものを作るなどの作業的な活動
 ○ 教室の内外において各自が実際に行ったり確かめたりする体験的な活動
 ○ 身の回りにある具体物を用いた活動
 ○ 実態や数量などを調査する活動
 ○ 数量や図形の意味、性質や問題解決の方法などを見付けたり、つくりだしたりする探究的な活動
 ○ 学習したことをさらに発展させて考える活動
 ○ 学習したことを様々な場面に応用する活動
 ○ 算数や他教科等の学習を通して身に付けたものを総合的に用いる活動
 
 
                
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                      | 形態で比べてみると、これまで示されていたものとほとんど変わっていないようです。 つまり、これからは実践の仕方を工夫、改善することが大切になってくるといえるでしょう。
 
 この他には、新しく示されたことはどんなことですか?
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            | 5 | 改訂された学習指導要領で示された算数的活動の特徴は? | 
          
            |  | ○ 算数的活動には、様々な活動が含まれる。 ○ 今までの実践では、作業的・体験的な活動など身体を使ったり、具体物を用いたりする活動が多く示されて
 いたが、そのような活動ばかりではない。
 ○ 算数に関する課題について考えたり、算数の知識をもとに発展的・応用的に考えたりする活動が重要。
 ○ 考えたことを表現したり、説明したりする活動も含まれる。
 
 以上のようなことが、今後の算数的活動の特徴といえます。
 
 
              
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                    | これまで以上に、 自分で考えたことを説明させたり、表現したりする活動が重要に なります。
 
 また、児童が互いに教え合ったり、説明し合ったりするなどの、児童が交流し合うような活動がより重視されています。
 
 日常の生活につながるような活動を取り入れることも必要です。
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            | 6 | 算数的活動の具体的な例は?  「学習指導要領解説 算数編(平成20年8月)」より | 
          
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                | 第1学年 
 | 第2学年 |  
                | ア 具体物を数える活動 イ 計算の意味や仕方を表す活動
 ウ 量の大きさを比べる活動
 エ 形を見付けたり、作ったりする活動
 オ 場面を式に表す活動
 | ア 整数が使われている場面を見付ける活動 イ 乗法九九表からきまりを見付ける活動
 ウ 量の大きさの見当を付ける活動
 エ 図形をかいたり、作ったり、敷き詰めたりする活動
 オ 図や式に表し説明する活動
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                | 第3学年 | 第4学年 |  
                | ア 計算の仕方を考え説明する活動 イ 小数や分数の大きさを比べる活動
 ウ 単位の関係を調べる活動
 エ 正三角形などを作図する活動
 オ 資料を分類整理し表を用いて表す活動
 | ア 計算の結果の見積りをし判断する活動 イ 面積の求め方を考え説明する活動
 ウ 面積を実測する活動
 エ 平行四辺形などを敷き詰め、図形の性質を調べる
 活動
 オ 身の回りの数量の関係を調べる活動
 
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                | 第5学年 | 第6学年 |  
                | ア 小数の計算の仕方を考え説明する活動 イ 面積の求め方を考え説明する活動
 ウ 合同な図形をかいたり、作ったりする活動
 エ 図形の性質を帰納的に考え説明したり、
 演繹的に考え説明したりする活動
 オ 目的に応じて表やグラフを選び活用する活動
 | ア 計算の仕方を考え説明する活動 イ 単位の関係を調べる活動
 ウ 縮図や拡大図、対称な図形を見付ける活動
 エ 比例の関係を用いて問題を解決する活動
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                | 「学習指導要領解説 算数編」(平成20年8月)には、上記のような算数的活動の具体例が示されています。
 そして、ここに示された活動をそのまま行っても、類似した活動を設定して行ってもよいと示されています。また、ここに示されていないような算数的活動を学校や教師が工夫をして、授業に取り入れることも必要であるとしています。
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