| 場面 | 具体的な手立て 
 | 手立ての実際と指導のアイディア | 
      
        |  | 新学習指導要領の指導事項に準拠してアンケートを作成しました。
          単元に位置付けた言語活動に関連付けて、身に付けさせたい知識・技能を10項目に絞って実施しています。 | 
          
            | ◆ | アンケートの質問項目に回答することで、生徒は今回の単元で身に付けるべき知識・技能を具体的にイメージすることができていました。 |  
            | 指 導
 の
 ア
 イ
 デ
 ィ
 ア
 | 実際に使用したアンケート |  
            |  | 授業の前に記入させておき、学習計画を立てる時間に利用しました。生徒はアンケートの項目に回答することで言語能力を具体的にイメージでき、自分ができていないと感じている項目を自分の学習課題としてとらえることができていました。 |  
            | 結果の利用法 |  
            |  | アンケートの集計結果をグラフ化して生徒に提示することで、教師は、生徒の意識の実態を把握することができます。また、生徒は、他の生徒の回答や学級の傾向を知ることができ、課題を学級集団で共有するとともに、自分の課題をより具体的にとらえることができていました。 |  | 
      
        | 単元や授業のねらいを明確にした学習計画表を提示したり、計画の一部を自分で立てさせたりすることで、学習活動の流れを確認し、学習の見通しを理解させました。 | 
          
            | ◆ | 単元を通じて、どのような目標をもって、いつどのような学習活動をするのかを示すことで、生徒は自分の課題をもって学習に臨むことができていました。具体的な活動の見通しを理解することによって、生徒の学習に対する不安感も和らいだようでした。 |  
            | 指 導
 の
 ア
 イ
 デ
 ィ
 ア
 | 実際に使用した学習計画表 |  
            |  | 単元の導入の1時間目、もしくは2時間目に、単元全体の学習活動を見通し、学習課題を確認する時間を取りました。その中で、単元のねらいや具体的な学習活動を学習計画表を使って提示しました。計画を提示するだけでも、学習の見通しをもつことには有効でした。 |  
            | 学習計画の提示法 |  
            |  | モデルとなる学習を事前に行い、その後、単元の学習に必要な活動について、個人やグループで考えさせました。計画の一部でも、自分で考えさせたり、グループで意見を交流して考えさせたりすると、生徒は何のためにどんな活動をするのかをいうことを意識して学習の見通しをもつことができていました。 |  | 
      
        | 生徒の主体的な学習を促すために導入時の学習活動を工夫しました。 
 
            
              | ○ | 単元に位置付けた言語活動に必要な知識・技能を学び取る活動 |  
              | ○ | 単元に位置付けた言語活動を具体的にイメージするための活動 |  
              | ○ | 単元に位置付けた言語活動の練習となる活動 |  | 
          
            | ◆ | 単元のねらいを把握し、単元に位置付けた言語活動を意識するのに有効でした。生徒は、これからの学習で何を学ぶのかを具体的にイメージすることで、活動に対して意欲的になっていきました。 |  
            | 指導 の
 ア
 イ
 デ
 ィ
 ア
 | 導入の工夫の例 |  
            |  | 授業展開案「相手や目的に応じて書こう」では、ポスターやパンフレット、リーフレットなどの具体物を示し、作成するリーフレットの形態や特徴などについて学び取らせました。相手(対象)、目的、表現の工夫などに着目して見比べ、自分たちでその違いに気付くことで、生徒たちは作成への意欲をもつようになっていきました。(単元に位置付けた言語活動に必要な知識・技能を学び取る活動) |  | 
      
        | 
          
            | 指導 の
 ア
 イ
 デ
 ィ
 ア
 | 導入の工夫の例 |  
            |  | 授業展開案「筆者になりきって文章を書き、読み合おう」では、単元名や教材である富岳三十六景の絵、学習計画表などを提示して導入を行いましたが、さらに、活動をスムーズに行わせるための工夫を考えると次のような工夫が考えられます。 まず、筆者の表現の工夫を読み取るために、1枚の絵を説明した2通りの文章(150字程度)を比べ読みさせ、表現の工夫について既習の知識を確認させるとともに、新しい知識の習得を図ります。この活動により、教材文「神奈川沖浪裏」で筆者が絵について説明している部分の表現の工夫に気付くことができ、筆者の表現の工夫を読み取り、その効果について自分の考えをもつという単元の主たる学習活動がスムーズにできるようになります。(単元に位置付けた言語活動を具体的にイメージするための活動)
 |  
            | 説明した絵 「大はしあたけの夕立」
 |  
            |  |  | 
      
        | 
          
            | 指導 の
 ア
 イ
 デ
 ィ
 ア
 | 導入の工夫の例 |  
            |  | 授業展開案「人物の特徴をとらえて論じよう」では、人物の特徴をとらえて論じるために、生徒がよく知っている漫画を題材にして登場人物の人物論を書くという学習活動に取り組ませました。このことにより、単元で行う言語活動を具体的にイメージでき、学習の方法や手順を理解し、学習の見通しをもつことができました。(単元に位置付けた言語活動の練習となる活動) |  
            | 漫画で人物論を書く様子 |  | 
      
        | 生徒の学習に対する不安を和らげるための工夫として学習プリントをレディネステストとし提案しました。 
 
            
              | ○ | 単元で身に付けさせたい知識・技能の定着度をみる。 |  
              | ○ | 単元に位置付けた言語活動で必要となる知識・技能の予習課題。 |  | 
          
            | ◆ | 単元に入る前に、その単元に位置付けた言語活動で必要となってくる知識・技能についての学習プリントを予習課題として利用しました。授業の中で確認する際にも役に立ち、生徒の学習に対する不安を和らげることにも有効でした。ただ、内容項目をあまりにも細分化していたため、1枚でレディネステストとしての条件を満たすことはできませんでした。組み合わせて使用するなどの使用方法の提案が必要です。 |  
            | 指 導
 の
 ア
 イデ
 ィ
 ア
 | 実際に使用した学習プリント |  
            |  | 説明的な文章の学習に入る前に、予習プリントとして「段落の要点をとらえる」を配布し、要約の仕方を練習させてから単元に入りました。必要な情報を選択し、抜き出すための練習としてとても有効でした。 |  | 
      
        |  |  | 
      
      
        |  | 生徒の主体的な活動やつまずきに対応するために学習活動の見直しを行い、スモールステップによる学習活動を提示しました。 
 
          
            | ○ | スモールステップによる学習活動の手順が分かるワークシートを作成し活用しました。 |  
            | ○ | モデルの提示やモデルとなる活動を取り入れた学習活動が一目で分かるワークシートを作成し、活用しました。(導入の工夫に同じ) |  | 
          
            | ◆ | 学習活動を生徒の実態に応じて細分化し、スモールステップで知識・技能を身に付けさせるよう工夫しました。また、生徒の主体的な学習を促すために、具体的なモデルの提示やモデルとなる活動を取り入れて、確実に知識・技能を習得することができるように工夫しました。生徒は、一つ一つの活動を確認することで、全体の見通しをもつと同時に、いつ、何をすればよいかを把握して、自分で活動することができるようになっていきました。また、一つの活動につまずいても、学習活動全体をあきらめることなく、意欲的に活動できていました。 |  
            | 指 導
 の
 ア
 イ
 デ
 ィ
 ア
 
 | スモールステップによる学習活動の例 |  
            |  
  | 小説の一部を脚本化する言語活動の中の脚本の下書きを書く部分を、 @主なせりふを書き出す。
 Aト書きを考えて書く。
 Bせりふとト書きを組み合わせて脚本の形にまとめる。
 の三段階に細分化し、色違いの付せんなどを使って、何度も見直しができるようにしました。生徒は、自分のペースで理解しながら活動を行うことができていました。また、書くことに苦手意識をもつ生徒のつまずきに気付き、教師が個別に指導するのに有効でした。
 |  
            | モデルの提示やモデルとなる活動を取り入れた学習活動の例 |  
            |  | 電子黒板を使って、モデルを提示したり、単元の中で行う学習活動のモデルとなる活動について解説したりしました。視覚的にとらえさせることで、生徒の理解も早く、分かりやすいという感想も多く聞かれました。また、説明の時間が短縮され、活動の時間が確保されたため、生徒は、余裕をもって活動に取り組むことができていました。 |  | 
      
        | 単元のねらいに対応した言語活動を通して生徒に力を身に付けさせます。生徒が主体的に学習に取り組むことができるように、学習の手順や必要な知識が分かるワークシートを作成し活用しました。 
 
            
              | 〔目指す言語活動〕 |  
              | ○ | 生徒が主体的に学習に取り組むことで、課題が解決できるような言語活動 |  
              | ○ | 学校生活や社会生活の場面を想定した活動 |  
              | ○ | 相手、目的や意図、多様な場面や状況といった条件に合わせて、身に付けた知識・技能を活用させる活動 |  | 
          
            | ◆ | 相手、目的や意図、多様な場面や状況といった条件を明らかにした活動を単元に位置付け、設定した課題の解決に向けた学習の過程が生徒にも分かるような手立てを取るよう心掛けました。また、単元で身に付けた知識・技能が学校生活や社会生活で活用できるようになることを意識して言語活動を位置付けました。生徒は、何のためにどのような活動を行うのかを理解して活動に取り組むことができるため、最後まで意欲的に活動を行っていました。最後の単元の振り返りの欄にも、多くの生徒が身に付けた力の活用場面について書くことができていました。 |  
            | 
              
                |  |  | 位置付けた言語活動 | 身に付けた言語能力の 活用場面
 |  
                | 書 く
 こ
 と
 | 第1学年 指導事項イ・エ
 | 小学6年生向けの内容紹介用リーフレットを作成する。 | ・学校紹介をする。 ・調べ学習のレポートを書く。
 |  
                | 第1学年 指導事項ウ・エ
 | 文学的な文章の一部を脚本に書きかえる。 | ・学年劇の脚本を書く。 ・学校行事のシナリオを書く。
 |  
                | 第2学年 指導事項ア
 | フォトストーリーを作って紹介する。 | ・発表や討論などで絵や画像を生かした表現をする。 |  
                | 読 む
 こ
 と
 | 第1学年 指導事項イ・エ
 | 文章と図表などとの関連を考えながら説明や記録の文章を読む。 | ・取り扱い説明書を読む。 ・説明的な文章を読み広げる。
 |  
                | 第1学年 指導事項ウ・エ
 | 思考力や想像力を働かせて仮想対談を行う。第1学年・読むこと | ・文学的な文章を読み広げる。 |  
                | 第1学年 指導事項カ
 | 昔話と古典作品を比較して読み、面白さを伝える。 | ・古典を歴史的背景と関連させて読む。 |  
                | 第1学年 指導事項オ
 | 故事成語に合う体験文を書いて読み合う。第1学年・読むこと | ・故事成語を使って豊かに表現する。 |  
                | 第2学年 指導事項ウ
 | 筆者になりきって文章を書いて読み合う。 | ・宣伝や広告の情報を、表現の効果を考慮して正確に読み取る。 |  
                | 関 連
 | 第2学年 指導事項
 「書くこと」ウ
 「読むこと」イ・ウ
 | 主人公を替えてリライトし、書いた作品を読み合う。 | ・文学作品を想像豊か読む。 ・物語や小説を表現を工夫して書く。
 |  
                | 第2学年 「書くこと」ウ
 「読むこと」イ
 | 人物の特徴をとらえて論じる。 | ・人物紹介文や人物論を書く。 |  
 |  | 
      
        | 授業を支えるものとして以下の教材等を提案しました。 
 
            
              | ○ | 生徒が学習の道筋を自分で確認しながら主体的に学習活動に取り組むことができるワークシートや補助資料。 |  
              | ○ | 知識・技能の確実な習得とそれを活用した学習を効果的に行うための学習プリント。 |  
              | ○ | 学習計画立て方や情報収集の仕方など、授業の中で行う活動の一般的な方法と活動を行う際の留意点を示した生徒用手引き。 |  
              | ○ | 学習内容を理解するのに必要な知識・技能をまとめた生徒用手引き |  | 
          
            | ◆ | 活動の手順や学習活動に必要な情報を1枚にまとめたワークシートは、生徒の思考を助け、主体的な学習活動を行わせるのに有効でした。また、学習活動の参考資料として用意した補助資料は、生徒が自分のペースに合わせ必要に応じて使用するのに適しており、学習活動をスムーズに行う助けとなっていました。ワークシートに示した手引きや補助資料を見ながら自分で課題の解決を図ろうとする生徒もおり、言語活動の充実につながる資料となっていたといえます。 |  
            | 指 導
 の
 ア
 イ
 デ
 ィ
 ア
 | ワークシートの例 |  
            |  | 生徒の主体的な活動を支えるために、活動の手順を示し、その手順と同じ流れで活動ができるようなワークシートを作成しました。生徒は、自分たちで手順を確認しながら、活動を進めることができていました。 |  
            | 補助資料の例 |  
            |  | 表現の特徴や表現の工夫について気付かせるために、これまでに学習した知識を振り返り、不十分な知識を補充するために利用しました。生徒は、グループでの話し合いの場面でも、適宜資料を利用していました。 |  
            
              | ◆ | 授業を支える学習プリントや生徒用手引きは、単元に位置付けた言語活動を行うために必要な知識・技能を補い、活動の仕方を把握するのに有効でした。次の時間の活動に向けての予習として利用することもでき、生徒は活動につまずいたときに振り返る資料としても利用していました。 |  
              | 指 導
 の
 ア
 イ
 デ
 ィ
 ア
 | 生徒用手引きの活用例 |  
              |  | 学習計画を立てる場面で生徒に配布し、何のためにどのように行うのかを確認する手立てとしました。生徒は、学習内容の項目を考える時に参考にしていました。 |  | 
      
        |  |  | 
      
        |  | 交流による自己及び相互評価を取り入れ、他者と比較することで自分の考えを広げたり深めたりさせました。 | 
          
            | ◆ | 作成した作品や自分の考えを他者と交流する活動を行うことで、生徒が自分の考えを見直し、広げ、深めることができるように工夫しました。評価の観点を示し、その観点を基に自己及び相互評価を行うことで、生徒は他者の意見のよさや改善点に気付くとともに、自分の意見についても客観的に評価することができていました。 |  
            | 指 導
 の
 ア
 イ
 デ
 ィ
 ア
 | 交流活動の様子(板書例) |  
            |  | 交流活動の手順と留意点を板書して説明しました。その後、生徒は評価表と色の違う付せんを使って、班で相互評価を行いました。友達の作品のよさに気付くことで、自分の作品の改善点に気付く生徒も多く、考えを広げたり、深めたりするのにとても有効であることが分かりました。 |  
            | 評価表の例 |  
            |  | 評価の観点を示し、@自己評価、A班での相互評価、B参考になった点や自分の作品の改善点を記入できるように作成しました。生徒は、友達の作品に触れたり、友達から評価のコメントをもらうことで、自分の作品を客観的に見ることができるようになっていきました。 |  | 
      
        | 学習計画表の振り返りの欄を活用し、生徒に本単元で身に付けた知識・技能や育成が図られた思考力・判断力・表現力を自覚させるようにしました。 | 
          
            | ◆ | 学習計画表に学習活動を確認できる欄、活動に対する自己評価や活動に対する反省を記述する欄を設け、常に自分で活動を振り返ることができるように工夫しました。また、振り返りの欄を充実させ、その活動がどんな知識・技能を身に付けるためのものか自覚できるようにしました。生徒は、身に付けた知識・技能や本単元の学習活動を通して育成された力について自覚することができていました。 |  
            | 指 導
 の
 ア
 イ
 デ
 ィ
 ア
 | 振り返りの欄の記入例 |  
            |  | 学習計画表の振り返りの欄に、「単元の学習を終えて身に付いたと思う力」と「身に付いた力の活用場面」を記入させました。生徒は、身に付けた知識・技能や本単元を通して育成された力について自覚することができ、単元の学習内容についての理解を深めることができていました。 |  
            | 主体的な学習態度の育成につなげる手立て |  
            |  | 学習計画表に単元における、個人の学習課題を書き込ませ、課題が解決したと判断するごとに反省を記述させました。生徒は、自分なりの課題を設定することで、単元の学習に主体的に取り組もうとする意欲をもつことができていました。 |  | 
      
        | 身に付けた知識・技能の意識化を目指して、事後アンケートを実施しました。 | 
          
            | ◆ | 単元の学習の最後に、事前アンケートと同じ項目で事後アンケートを実施しました。生徒は、アンケートに回答することで、項目を手掛かりにしてどのような知識・技能を身に付けるための単元であったかを振り返ることができていました。 |  
            | 指 導
 の
 ア
 イ
 デ
 ィ
 ア
 | 生徒のアンケートの記入例 |  
            |  | 記入後に、自分が単元の始めに記入した事前アンケートの記述内容と比較して、変化を自覚させました。生徒は、今回の単元で身に付いた知識・技能について活動を結びつけて確認することができていました。 
 |  |